孫に「ゲームを買って」と言われた。ゲームは禁止にする方が良いのだろうか?
このような疑問に2児の父がお答えします。
- 一概にゲームが悪いとは言えない
- 孫がゲームに没頭すると親は面倒
- ルールを守る教育ができれば問題ない
現在、お孫さんがいらっしゃるおじいちゃん・おばあちゃんはインベーダーゲームが流行した世代のはず。
そして家庭用ゲーム機の「ファミコン」が登場し、皆が熱中した年代ですよね。テレビゲームに対して良いイメージと悪いイメージを持つ方がいらっしゃいます。
孫のゲームは禁止した方が良いのか?
非常に難しい問題ですが「ゲームは悪影響があるので禁止した方が良い」とは一概には言えません。何故ならゲームをする子の方が集中力やコミュニケーション能力が高いとの調査結果があるからです。
それぞれについて詳しくご説明します。
孫に与えるゲームは毒?禁止した方が良いのか?
まずは朝日小学生新聞「子どもとゲーム」実態調査リポートをご覧ください。
朝日小学生新聞「子どもとゲーム」実態調査リポート
「朝日小学生新聞」(朝小)を発行する朝日学生新聞社(東京都中央区)では、朝小読者を対象に家庭で遊ぶゲームについてのアンケート調査を行い、小学1年生〜6年生の男女457人から有効回答を得ました。あわせて、その親にも子どものゲームに関する調査を行いました。その結果、家庭でゲームを楽しむ子どもはゲームを禁止されている子どもに比べて、勉強の集中力が高く、宿題も計画的かつ自主的に取り組む傾向が高いことがわかりました。
主な調査結果は以下の通りです。
■今どきの小学生、ゲームはだらだらやるのではなくルールを決めて楽しむ子が9割
・小学生の85.1%がゲーム好きで、ゲーム機を持つ子どもの91.9%がゲームに関する家庭内ルールがある。主なルールは、「宿題や勉強を済ませてから遊ぶ」「ゲームをしていい時間が決まっている」「夜遅くにゲームをしてはいけない」など。
・1日のゲーム時間は平均50.6分。■ゲームOKの子どもは、ゲームを勉強に役立て、効率よく学ぶ傾向がある
・親も子も認める成績優秀な朝小読者。ゲームだけでなく勉強も好き(81.4%)。勉強時間はゲーム禁止の子の方がやや長い(OK82.3分、NG89.0分)が、成績の良さは変わらない(OK94.4%、NG93.3%)。
・ゲームOKの子の55.0%はゲームが勉強に役立った経験あり。最も多かったのは「知識が身についた」(56.7%)で、親がゲーム 好きだと60.8%に上昇。親と一緒にゲームをする子は、成績のいい子が多い。■ゲームOKの子どもの方が勉強の集中力が高く、宿題も計画的かつ自主的に取り組む
・ゲームOKの子はゲームNGの子より勉強時の集中力が高い(OK81.0%、NG73.3%)。
・ゲームOKの子は宿題を計画的に(OK70.5%、NG60.0%)、自主的に(OK75.9%、NG46.7%)取り組む傾向がある。■ゲームOKの子どもは社会性が高く、コミュニケーション能力も高い
引用元:【朝日小学生新聞】「子どもとゲーム」実態調査リポート
・ゲームOKの子はルールを守れる性格(OK88.7%、NG73.3%)、家族との会話時間も長い(OK90.5分、NG62.5分)。
- 今時の小学生は家庭のルール内で楽しむ
- 勉強時間は短いが成績は変わらない
- 勉強の集中力が高い傾向がある
- ルールを守れる性格の子が多く、コミュニケーション能力が高い傾向がある
調査元が朝日新聞の子会社にあたる新聞社なので信憑性の高いデータです。ゲームをする為にルールを守ったり、上手に操作する為に頭を使ったりと良いこともたくさんあります。
もちろん、近くの画面を集中して見るので視力の低下や運動不足など健康面で悪いこともあります。
しかし、こういったデータを見ると必ずしもゲームを禁止するべきではないと言えます。
ゲームを禁止しすぎることの弊害
ゲームを禁止しすぎることはお孫さんにとって悪影響を与えます。
同級生のお友達がゲームを買ってもらっているのに、自分は禁止されていて買ってもらえない。そうなるとお友達の話についていけなくなってしまいます。
つまり、話の合わない子は遊び相手の邪魔なり、友達の輪から外され孤独になる。
「ゲームを禁止されている子と仲良くなれば良い」と思われるかもしれませんが、大多数の子がゲームを買ってもらえる家庭です。
そもそも同じ境遇の仲間を見つけること自体が難しいのです。そして、いよいよ我慢の限界がくるとお孫さんはとんでもないことを仕出かします。
罪を犯す
筆者自身もなかなかゲームを買ってもらえない家庭で育ちました。
裕福な家庭で何でもおもちゃやゲームを買ってもらえる子が羨ましくて、無断でゲームソフトを持ち帰ったことがあります。一言で言えば泥棒ですね。
すぐに母に見つかりこっぴどく叱られ「間違って持って帰った」ことにしてその日のうちに返却したのですが、母が泣いていたのを今でも覚えています。
なかなかゲームを買ってやらなかったことを思って次の日にゲームソフトを買ってくれましたが、時すでに遅しです。
自分の欲求が満たされず我慢の限界がくると、他人の物を盗ったり親の財布からお金を盗んだりする可能性も捨てきれません。
筆者自身の経験上、ゲームを禁止しすぎることは子供の成長に悪影響を与えます。
なぜゲームを禁止にするのか?
ゲームを禁止にする表の理由は、目が悪くなったり運動不足になる心配が挙がります。
しかし、実際には「ゲームに没頭して言うことを聞かなくなるので面倒」という潜在的な理由が隠れています。
- ご飯を食べない
- 勉強をしない
- お風呂に入らない
- なかなか寝ない
- 起きてすぐにゲーム
もしこんな状況が自分の子供に起きると考えると嫌になります。そのため、予めゲームはすべて禁止にしてしまう親がいるのです。
子供の楽しみをすべて奪うのも酷ですし、この状況でしつけをしない(出来ない)のが一番の問題です。
近年は体罰禁止の観念から強く指導することも難しくなりました。根気よく話し合い、家庭内のルール作りをすることが大切だと考えます。
ルールを守る教育をし、不適切なゲームを与えない
ゲームが悪いのではなく、メリハリ(けじめ)をつけられないことが悪です。
テレビ画面に映し出すゲーム機以外にも、最近は携帯できる小型のゲーム機やスマートフォンのアプリでゲームを楽しめるものが多くなりました。
どこへ外出しても四六時中ゲームをしている子がいるのも事実です。
例えば遊園地やショッピングモール、病院など必要がないところでもゲームで遊びます。もはや一種の依存症ですが、諦めているのか親がいても何も言いません。
親がきちんと管理し、教育しなければ社会に出てから困ります。
- ゲームの時間を決める(短すぎないように)
- 家族で遊べるゲームにする
- 勉強と遊び、メリハリをつけさせる
- 暴力的なゲームを与えない
朝日小学生新聞「子どもとゲーム」実態調査リポートのように、ゲームと適切に向き合えば良い結果が生まれる可能性だって十分あります。
悪影響があると恐れてすべてを禁止にしない、子供が言うことを聞かないからといって逃げないことが重要です。
お孫さんにゲームを買い与える時は、「プレゼントして終わり」ではなく一緒に遊んだり教育に関しても責任をもって携わりましょう。
まとめ:孫のゲームは禁止した方が良いか?
お孫さんに与えるゲームについてまとめます。
- すべてのゲームが悪いわけではない
- 禁止しすぎると悪影響を及ぼす
- ゲームが悪ではなくしつけられないのが問題
- 家庭内のルールをきちんと決める
- 一緒にゲームで遊んであげる
たくさんの遊びの中で「皆が遊んでいるゲーム」を排除するのは酷なこと。お孫さんと一緒に遊ぶと共通の話題が出来てコミュニケーションにも活用できます。
スマホアプリの「ポケモンGO」が良い例です。教育は難しいものですが、きちんと対応すればゲームは良い刺激となります。
パパ・ママの教育方針にも配慮しないといけませんが、頭からゲームを禁止にするべきではないと考えます。